中央大量子凝縮系理論セミナー

2024年度第1回 中央大量子凝縮系理論セミナー(オンライン形式)
日時: 5月17日(金) 16:00-17:00
発表者: 竹内勇貴 (NTT CS研究所)
タイトル: 測定型量子計算における計算万能性から量子状態万能性への触媒的変換
アブストラクト: 任意の量子計算を行うことができる計算モデルは万能量子計算モデルと呼ばれている。量子計算では古典ビットと量子状態という2種類の出力が考えられるため、2種類の万能性が存在する。任意の量子状態を生成できる性質を量子状態万能性(strict universality)、任意の量子回路の出力確率分布を生成できる性質を計算万能性(computational universality)と呼ぶ。定義より、量子状態万能性を有する計算モデルは計算万能性も有している。しかし、逆は一般には成り立たないことが知られている。本発表では、まず始めに測定型量子計算の基礎を説明する。その後、我々の結果として、計算万能性を量子状態万能性に変換する手法を紹介する。特に、本変換手法を具体的な測定型量子計算プロトコルに適用することで、リソース理論の観点では2つの万能性に差がない場合があることを示す。今後の展望についても議論する予定である。